Topicsスライド式自動ドアの安全ガイドブック

4建築設計者・発注者へのお願い

自動ドア利用者の安全性を高めるためには、建物の計画段階で建築設計者や発注者の方々に、自動ドアの設置場所や通行状況に応じて適切な仕様を検討・決定していただく必要がありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

自動ドア周辺での計画
周囲のスペースの確保 通行の障害となる人だまりなどができないよう、周囲のスペースの確保ドア周辺のスペースを可能な限り確保する。
適切な通行動線の確保 通行動線上に障害物が無いこと。場合によっては、防護柵を設ける等の工夫を図ることが望ましい。
視認性の確保 ドアの存在や注意・警告表示などが認識できるよう、明るさと視認性を確保する。
すべり、つまずき対策 雨水の浸入を防止し、つまづきを生じさせないように床の段差や障害物を設けないようにする。
有効開口幅 車いすの通る開口部では900mm以上。それ以外の開口部では800mm以上が望ましい。
戸袋側への配慮 戸袋側にいる人にドアが接触することを防ぐ為、防護柵を設けるなどの配慮をすることが望ましい。
指挟み防止の配慮 全開時に手や指が挟まることを防ぐ為、ドアと方立やたて枠などに隙間を設けることが望ましい。
自動ドア建具での計画
衝突時のリスク低減 ドアは極力軽量化を図り、ドアや枠の部分から鋭利な金属の角を排除することが望ましい。
引き込まれ防止 手や指が引き込まれることを防止する為、ドア面は格子などの引っかかりが無い形状とすることが望ましい。
安全性の高いガラスの採用 ガラス飛散の危険性を低減する強化ガラスまたは合わせガラスを採用することが望ましい。

5建物管理者へのお願い

自動ドアは毎日使われるものですので、機械的・電気的消耗に対し、定期的な点検や調整・部品交換を行い、常に良好な状態を維持することが安全性確保のための第一歩です。

取扱説明書に基づく運用管理

建物管理者は、自動ドア供給者が提供する取扱説明書 などを常備し、それに従って自動ドアが使用されるように管理してください。取扱説明書において想定していない状況が発生した場合は、必ず自動ドア供給者などに連絡してください。

調整・改変の禁止

使用状況の変化などで、自動ドアの構造・機能を変更する必要が発生した場合、建物管理者は自動ドア供給者もしくは点検・整備者と協議し、十分な安全確認を行わなければなりません。建物管理者の一存で調整したり、設定を変更することは、予期せぬ危険を招くおそれがありますのでおやめください。

点検・整備などの実施

建物管理者は、自動ドアを安全に使用するために定期的な点検・整備(年4回推奨)を行うことが重要です。 点検・整備は必要な技術を持った専門の技能者に行わせて、その報告を受けてください。改善事項が提案された場合や、点検・整備結果が自動ドア安全ガイドラ インおよび自動ドア供給者の作成する取扱説明書などに照らして適切でなかった場合には、早期に対策を行う必要があります。

点検・整備に関する契約

自動ドアを常に安全にお使いいただくために、建物管理者が、自動ドア供給者と定期的な点検・整備に関す る契約を結ぶことを推奨します。

事故・故障などの対応

建物管理者は、負傷事故や安全上の重大な故障の発生に備えて適切に対応できる体制を整え、万一これらが 発生した際には自動ドア供給者に連絡し、その記録を残すことが大切です。

利用者に対する注意喚起

自動ドアには、自動ドアであることを示す表示や、「駆け込み」「立ち止まり」「指挟み」「戸袋側への進入」などに対して、注意を促す表示を行うことが必要です。

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スライド式自動ドアの安全ガイドブック(改訂版) [PDF版ダウンロード 819KB]

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